東城大学病院

□GO!GO!サウナ★
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「んうっ…ッふぁあっ…しま、づゥ」
耳元で呼ばれる自分の名前。その声の甘さに、ぞくぞくする程の快感が背筋を走る。
「ヤバいな…最後まではしないつもりだったけど…」
理性持たないかも。呟いて、秘孔に指を当てる。
「やっ駄目だ、島津」
「駄目?」
田口の顔を覗き込むと、潤んだ瞳が困ったように揺らいでいて、酷く興奮した。
「そんな顔されたら、益々納まりつかないだろ」
「そんな…」
だけど無理強いはしたくない。島津は少し意地悪な顔をして、
「じゃあさ、」
田口の手を導き、二人の腹の間の二本の欲情の象徴を握らせた。
「田口の手で、イかせて」
かあっと、田口の耳が赤く染まる。
「出来ない?」
意地悪な問い掛けに、潤んだ目のまま睨んで、聞き取れないくらいの声で「やる」と答えた。
左手で島津の肩につかまり、右手で二人分の快感を追う。
女の手とは違う、細く柔らかいけど骨の浮いた指で擦られる快楽も堪らないが、それ以上に、田口の自慰に似た仕草、そして快感と羞恥に耐える表情が最高に官能を煽る。
項に手を掛けて、引き寄せ、キスをする。濡れた唇が、切ない程甘い。
「…っはあ、しまづ、も…ダメかも」
少し掠れた声に煽られて、島津は田口の手に己の手を重ねて、絶頂を求める行為に拍車を掛けた。
「んんぅっ、あっやアアァッ!」
抑えきれずに高い声を上げ、田口が達した。一瞬後に島津も絶頂を迎えた。
田口の左手が背中に爪を立てたのを感じ、痕に残ると良い、と願った。


「お湯、汚してしまった」
二人共すっかりのぼせてしまって、湯から上がってデッキチェアで涼みながら、今更気付いたように田口が呟いた。
「仕方ないさ。大丈夫だろ、循環してるし」
「そういう問題じゃないだろ。何か、人として」
「気にするなよ」
田口は溜め息を一つ吐いて島津を見た。
「何だ、色っぽい目で見て。もう一回したいのか?」
「バカ。…あ、そういやあの二人は?」
「…あ」


「そろそろ限界なんじゃないですか?」
「俺はまだ平気だぜ。兵藤君こそ、無理するなよ」
「いや、俺はまだ若いですから」
「実年齢と肉体の年齢は一致するとは限らないからな、油断大敵だぜ」
押し問答をしながらサウナで粘り続けていた。
「…バカ」
「何だと!?行灯」
「酷いですよ!先輩」
「ああ、悪い。…二人とも、もう出たら?」
「…まあ、先輩がそういうなら…」
「…しょうがねえな。勝負はお預けってことで」
「そうっすね」
フラフラしながらサウナから出る二人を、呆れ顔で見守って、でもお陰で露天風呂での行為がバレずに済んだんだなあと考えていると、島津が二人に聞こえないよう小言で
「我慢比べの流れになったたら、『俺は普段は20分は入る』って言ったんだよ」
と言った。なるほど、そう言われては20分が最低ラインになってしまう。そうだ、コイツは豪放磊落である反面、意外に計算高いのだ。
…油断ならないヤツ。
「また来ようぜ」
「絶対来ない」
赤面して拒絶する田口に目を細めて、策士は少し笑った。

end.
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