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□2011バレンタイン、雲雀
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雲雀が靴箱を開けると、色とりどりの包装を施された箱や袋が雪崩を起こした。
「………」
その小山を睨む雲雀を遠巻きに「さすが」「すげーな」などとひそひそ話をしながら生徒達が見物して行く。
「草壁」
「はい」
忍者のように現れた副委員長に、周囲はどよめく。
「片付けておいて」
「はい。応接室にお運びしておきます」
「…靴箱に入ってた食べ物なんて、食べる気がしないな。食べ物を捨てるのは気が進まないけど…処分しといてよ」
「委員長の靴箱に入ってたチョコ…………。畏まりました、処分しておきます」
「ちょっと、何で君鼻血出してるの?」
「何でもありません、大丈夫です。では此は預かって…」
「捨てるんだよね?」
「…処分しておきます」
「捨てるんだよね?」
「…責任を持って…」
「………食べないよね?」
「………………」
「何で黙ってるの?」
「…委員長の靴箱に入ってたチョコを捨てるなんて、そんな勿体無いこと、自分には出来ません!!」
「…………」
草壁をトンファーの餌食にして他の風紀委員に頼もうとしたが、全員何故か呼吸が荒くて気持悪かったので、結局雲雀はチョコを全て自分で持ち帰った。


end.

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