story
□雨
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「つめてっ!」
先程まで晴れ渡っていた空にはいつの間にか灰色のクモがかかり、間も無くぽつぽつと冷たい雫がおちてきた。
「…雨かよ、傘持ってねーのに…」
キョロキョロと見渡すと、そこには愛しのあの子。しっかりと自分の声が届くように叫ぶように呼んだ。
「高杉ぃー!!!」
名前を呼ばれた彼はめんどくさそうに振り返ると、まためんどくさそうに聞いてきた
「何だよ?」
「わりぃ、入れてちょ!!」
そんな相手のことを気にすることもなく同じ傘に入る
「わっ!?入ってくんなよ!」
「いいじゃん俺もってきてなくてよ〜今度パフェ奢るからさ!!」
「しょーがねェな。んじゃお前傘持てよ」
「はいはい、晋ちゃんちっちゃいもんね」
「うっせェ!!」
「それにしても晋ちゃんが傘持ってるなんて珍しいね?」
「俺だって天気予報くらい見んだよ。濡れるのめんどくさいし」
「傘持ってくるほうがめんどくさいと思うけど」
「世の中には折畳みってもンがあんだよ」
「なるほどね…」
「てか銀時くっつきすぎ」
「いいじゃんラブラブカップルみたいで!!!」
「お前なんか好きじゃねェよ」
べーっと赤い舌をちらつかせる
…そんな可愛い顔しちゃってさ、襲いたくなるじゃねーかコノヤロー。つか、銀さんの気持ち…受け取ってくれねぇのかなぁ。
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