11/26の日記

18:32
鳴かぬ鶯
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「なぁなぁ聞いてや坊!今日のテスト俺めっちゃ頑張ってんで!」
「坊、ぼーん。お腹空いたわ、何か持ってへん?」
「あっ坊!さっきのお姉さんめっちゃ胸でかなかった!ええなぁ!やっぱ胸はおっきい方がええなぁ!」

志摩は喋る。とにかくよくしゃべる。へらへらとしまりなく笑いながら取りとめもないことをぺらぺらとよくもまぁ飽きもせずに喋るものだと時折感心するのだが、殊、夜においては

「志摩、声出せ。その方が楽やろ」
「〜〜〜ッぅ、あ」
「口、噛みなや…血ぃでとる」
「はぁッ、……、……ッ」
「志摩…!」

夜の志摩は喋らない。気味が悪いくらいに無言で、情事の最中もどんなに揺さぶったところで声を殺すことをやめない。俺はそれが大層つまらない。

「なぁ、志摩。なんで声ださへんのや。また口切れとるで」
「そんなん言うたかて、癖ですやん。自分ではどうしようもないわ」
「……なぁ志摩」
「おん?」
「そのうち嫌言うほど喘がしたるから覚悟せぇよ」
「え………?ややわぁ坊たら大胆発言!いやんえっち!…っていうか坊?なんで圧し掛かってくるの?どいて?」
「言うたやろ。覚悟せぇて」
「そのうちって言うたやん!今!?今なん!?」

くだらないことばかり喋って、騒いで。そのくせ腰をひと撫でした途端貝のようにぴたりと閉じる薄い唇に噛み付く。血のにじむそこを執拗に嘗め回して、ゆるゆると口が開くのを待って突き上げた。

「―――ッ!!」
「強情っ張りめが…!」

いつか、絶対声出させたる。
ひとつ目標を掲げて、勝呂は全力で目下の獲物を喰らうことにした。



Q、どうして志摩くんは声を出さないの?

A、それはね、お兄さんに声を出してはいけないって教えられたからだよ!


「もう、癖になってもうたなぁ」
「、〜〜ッ!!」
「廉造のかいらし声聞きたいんは山々なんやけど、お父や家族が起きてまうかもしらんしなぁ」
「ぁ……ッ……ッ……ッ」
「ああ、そうか」
「、ぅ……?」
「今度ホテル行こか。そこやったら気にせんと声出せるやろ。初めての時は流石に連れて行けるような年齢やなかったから、なんとなくずっと家でしとったけど、もう廉造も大きくなったしなぁ」
「は、はぁ…柔兄…」
「な、廉造。とりあえず今日は我慢やで?明日いっぱい声出してな?」
「はッあ、……!!」


前略 勝呂竜士様
貴方は以前より、俺が声を出さないことを大層気に病んでおいででしたが、安心してください。どうやら俺の声を殺す癖が治りそうです。今度京都からそちらに戻った際には、成果を見てやってください。きっと喜んでくれると思います。
では、近いうちにそちらに戻ります。お土産買って帰りますね。
草々 志摩廉造







声殺す志摩ってマジえろい!マジ性的!
ってはしゃいだら変態柔兄さんがログインしました。
どうしてこうなった

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