04/17の日記

17:06
口調練習だから意味はないよ!
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「それ以上近寄らないでください」

涼しげな声がぴしゃりと耳を打って、思わず足を止める。見やれば婚約者は不快気に眉を顰めていた。

「そんなん言うたって、そっち行かんと家にも入られへん」
「そのにおいをどうにかしなければ、家にはあげられませんよ。おばかさん」
「……俺、臭う?」

へにゃりと眉を下げて伺ってみたらば、思い切り頷かれた。そうだろうか。鼻が馬鹿になっていてわからない。

「ショックやわぁ…フランシス見習って香水でもつけよかな」
「あの方は単純に不潔なだけです。そうでなく、貴方は血の臭いが酷すぎる。今日もどこぞを侵略していらっしゃったのでしょう?お下品な」

そう言って、眼鏡をひとつ押し上げて、彼は哀れむようにひとつ息を吐いた。
そんな彼はどこまでも貴族然としていてお上品で、血の穢れなどどこにもない。

(おかしいやんなぁ。お前は戦うために生まれたんやろ、色々血も流してきたくせに、血を嫌うなんて。)

「なぁローデリヒ」
「何です?」
「そんで、俺はいつになったら家に上げてもらえますか」
「知りませんよおばかさん」
「なんやねんそれ!ひどない!?」

(でもな、ローデリヒ。俺はこの臭い、嫌いちゃうんよ。それに真っ赤でべたべたしとって、つんと青臭くて)

(トマトみたいやんなぁ)



意味はないよ!

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