捧頂
□過去拍手
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：大嫌い：
仲間だなんて言葉、あいつに使うんじゃなかった。
自分の利益の為に人に暴力をふるうあいつに。
守る為、だったんだ。最初は。
でも
あいつの苦痛に歪む顔を見るのが楽しくなって
あいつの怯える顔に快感を覚えて。
徐々に
目的は変わっていった。
だから あいつの変化に気がつかなかった。
あいつは声を無くして 涙を無くして 表情を無くして
しまいには心を無くして。
知らない。こんな奴。
誰だ？
こいつは 誰だ？
『こんにちは。
そして始めまして』
あいつは笑った。
俺達のまったく知らない笑顔で。
『君達の事、大嫌いなんです。
…僕に近づかないでくれますか？
その方がお互い有意義でしょう？』
その言葉は
初めてあいつの口から聞いた拒絶の言葉で。
『大好きだったのに』
その言葉は 俺達の言葉に深く突き刺さった。
あぁ なんでもっと早く気がつかなかったんだろう。
お前は いつまでたっても なにが起こっても
俺達の仲間だったのに。
大切な人だったのに。
(笑いあうことは)(もう出来ない)(いつだって人は)(失ってから大事なことに気がつくんだ)
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