黒碧ノ騎士

□雫
2ページ/7ページ





「いけませんよ、ボンゴレ。
仮にも君を狙っていた・・否、
未だ狙い続けている僕を
助けようだなんて考えては。」

獄寺が腰のダイナマイトに手をかけた。

「でも・・!」

言われてなお反論をする沢田に、
骸は一瞬、悲しそうに表情を歪める。

けれどそれも半秒、
もとの険しい顔つきになる。

「聞き分けなさい、ボンゴレ。
貴方では勝てない。
・・・僕にも、・・勝てないんですから」

「!?!?」
「な、なんだって・・、」

オレは絶句した沢田に反し、
思わず声を零した。

「お前が、勝てない?
なんでだよ、お前は―――・・」
「陛下」

言いかけたオレを、
骸はただの一言で静止した。

「いいんです。御行きなさい。」
「・・骸」

その姿は、余りに美しかった。

哀しくも凛々しく、
主の威厳を持った忠実な騎士。

「さぁ、早く。
彼が・・来てしまいます」
「・・・か、れ?」

オレが、尋ねた。
その、


刹那の、こと。


「見つけた」




---
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ