黒碧ノ騎士

□雫
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「陛下!!」

それは、余りにも唐突な事だった。

オレとヴォルフ、コンラッドに
沢田、山本、獄寺が、
新たな強力なリングの反応に
外へと探索に出たときのことだった。


「!!骸!?」

「逃げてください、
早く!!!」

駆けて来た彼、六道骸は
常の余裕はどこへやら、
必死にそう叫んだ。

「な、なんなんだよ?!
ぇえと・・ミルフィオーレか?!」

沢田の問いかけに、骸は、
オレらを廃屋の中へ誘いつつ答えた。

「違います。もっと哀しい・・、
どうしようもないものです」

反応のあったのは、
精度のとても高い、霧と嵐のリングが
それぞれ、3つと、4つ。

「哀しい・・?
なんだよ、それ?」

答えをオウム返しにしたオレには答えず、
骸は辛そうに、しかしあくまで微笑んで、
そっとオレと沢田に向けて言った。

「・・有利陛下・・、
ボンゴレ・・、いいですか?」

オレらは、ゴク、と唾を飲んで
次の言葉を待った。

「今追ってきているものは
僕がどうにかします。
ですから、貴方たちは
早くアジトへ戻ってください。
・・・いいですね?」

「ちょっ・・骸!?
そ、そんなこと出来る訳ないだろ、
お前はどうするんだよ、なぁ!!」

沢田が必死に言うも、
骸は、クフフ、と微かに笑むばかり。





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