ぎんたま。

□ココロノピース
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「ハッピーバースデーディア土方ー」

「ギヤァァァ!!!」




過激過ぎると言っていいほどの目覚ましに俺は飛び起きた。




















ココロノピース。



























「何やってんだ総悟ォォ!俺を殺す気かッ!!」

「やだなぁ土方さん。俺からのささやかな誕生日プレゼントでさぁ。」

「貰うどころか大切な何かを失うわァァ!!」




今日は5月5日子供の日。
しかし俺にとってはそれ以前に年に一度の誕生日。
だが、これといって興味はなかった。
いい歳こいて祝って貰おうなんざこれっぽっちも思わねぇし。




総悟に『砲弾』という名のプレゼントを喰らったため、イライラしてしょうがねぇ。
あぁ、胸糞悪ぃ。











「よぉ、おはよう!」

「あ、近藤さん。おはよう。」


着替えも終え、食堂へ向かう途中近藤さんに会った。
なんだ?なんか様子がおかしい…
なんであんなそわそわしてんだよ。
後ろに何か隠してんのか…?






「トシィ!!」

「な、なんだよ!?」

いきなり馬鹿でかい声で名前を呼ばれ、不覚にもビクッとしてしまった。



「これ、俺の気持ちだ。受け取ってくれ!」

そう言って隠していたものを俺の手に握らしては猛ダッシュで目の前からいなくなっていった。


一体なんなんだよ…
一人残された俺は呆然と立ち尽くしながら手に握られたものを見ると、それは




「………」

『漢』と一文字大きく堂々と書かれた褌だった。


そういやぁ、近藤さんからは今までろくなもん貰ったことがねぇ。
確か去年は…




そんなことを考えていると、1枚の紙切れがひらひらと足元へ落ちた。

俺宛てか?違うのか?
まぁ読んでみればわかることだな。
その紙切れには

「今日はお前の誕生日だ。仕事のことは忘れて遊ぶなりなんなり好きにするといい。だが8時までには帰ってるんだぞ! 近藤」

汚い字で乱暴にこう書かれてあった。




「あの人らしいな。」

思わず一人で嘆き、とりあえずあまり休みがなく寝てなかった俺は固っ苦しい隊服を脱いで着流しに着替え、布団へ潜った。




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