ハトアリ小説

□貴方のせいよ。
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漆黒が包み込むような夜。


私はブラッドの部屋で寛いでいた。


ソファに二人、何か話すでも無くただ座って時間を過ごす。


そんな中、彼は私にいきなり口付けた。


「何よ、いきなり」


「私はしたいことを、したいときにするんだ」


彼が発したのは、お決まりの台詞。


もう、何度も聴いた言葉。


そして、再び無言。


何か話すことはないか。


「私ね、この狂った世界に来て、狂った貴方に出会ったの」


「ほう・・・」


だるそうな声。


「そのせいで私は狂ってしまったわ。


全部、貴方のせい」


「そうか。


・・・それは褒め言葉として受け取ってもいいのか?」


彼はニヤニヤとした笑みをこちらに向ける。


少し、怖い。


「貴方がそう思うのなら」


「ははっ!最高の褒め言葉だな」


そう云って、また口付ける。


そんな行為がこんなにも幸せで、嬉しく感じてしまうなんて。


もう狂わないと決めたのに・・・。


私の思考が、感情そのものが。


貴方のせいで狂ってしまった。


そして。


そう思いながら、私は彼に溺れていく・・・。






END

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