ハトアリ小説

□貴方がいれば「幸せ」
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夢から覚めて段々意識がはっきりしてきた。



目をしっかりと開けると夕方だった。



此処では時間が不定期に流れている為に、目を覚ましたら夕方と言うことはよくあること。



そんな事にはもう慣れている。



隣に目を向けると、幸せそうに寝息をたてるペーターの姿があった。



(仕事しなくて大丈夫かしら・・・?)



ふと、そう想った。



幸せそうに寝ているからそのまま寝かせておこう、等と云う感情は一切出てなかった。



寧ろたたき起こしてやろう、と云う感情がわき出してくる。



「ペーターそろそろ起きなさいよ!」



身体を揺すりつつ、耳元で大きく叫んでやった。



流石にたたき起こすのは可哀想かと想ったからだ。



我ながら優しい一面もあるものだ。(これが優しいのか、と云う質問は皆無)



そうするとペーターの耳がピクピクっと動き、目蓋が開いた。




「アリス!何でそう耳元で大きく叫ぶんですか!兎の耳は繊細なんですよ!?」




とても寝起きとは想えないほど話し出すペーター。




「良く寝起きでそんなに話せるわね」




「アリス!」



ものすごい形相で睨んでくるので、ごめん、と謝った。




そうしたらペーターの表情はさっきまでとは正反対な柔らかい表情になった。




何て、単純な男だ。



「好きですよ、アリス」



満面の笑みを浮かべながらペーターがいきなり告げた。




どうしてこういきなり云うんだ、ペーターは。




「アリスも、僕のこと好きでしょう?」




ペーターがそう問うのでとりあえず頷いた。



そう、ペーターの云っていることは、紛れもない事実なのだから。









(ねぇ、ちゃんと言葉で伝えてくださいよー!)




(・・・殴るよ?)






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