サイエンス・ワールド 短編集

□ーシャンク・フロットの楽しい洋館建設ー
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シャンク
「お。キル。よく来たな。待ってたぞー。ギターを弾きながらして」


キル
「弾いてなかったよなΣ!?」


シャンク
「実は弾けないんだよねー。俺ボーカルだから♪あとベースだから」

キル
「それなのにそんな誇らしげにぶら下げてんのかよΣ!?てかベース弾けるならギターもある程度弾けるんじゃね!?」


シャンク
「ちぇっ。五月蝿いなー。ギターなんか止めますよぉ!!」

‘ドガシャーン!!’

キル
「もう止めたー|||!!」


シャンク
「さぁ、入って入って。出来たてホヤホヤの洋館だよ入って入って。ちょっと変な匂いするけど。あ、待った!」


手のひらをキルの目の前に出してキリッと目を光らす。

シャンク
「お土産は持ってきたんだろうなー♪」


キル
「あ、やっぱりいるのか?」

シャンク
「いりまくるよー。たかが美味しいヨウカンだからって手ぶらで入るなんて図々しいにも程があるわ、カタハラ痛いわ、ヨウカン食べたいわ」

キル
「どんだけヨウカン好きなんだよ!?えーっと、あ、じゃぁ、はい。これ」

袋をシャンクに渡すと、ワクワクしながら中身を拝見する。


シャンク
「こちとらこれが楽しみで…」


もさりと納まっていた草がピョンッと出てきて、隙間から石が見える。


シャンク
「ハァァー………」


カーン…………ー







ーヨウカン内ー


シャンク
「草ってお前…。石ってお前…」

畳がある居間のちゃぶ台にうつ伏せて静かに泣きわめく。


キル
「そんなに落ち込むなよシャンク。あ、それより、いい所だよな。この洋館」


途端にバッと顔を上げて表情を明るくしてキルを見る。

シャンク
「そんなにいい?」

キル
「もう機嫌なおった」

シャンク
「君、なかなか洋館を見る目あるなー」

キル
「洋館じゃないよなこのヨウカン」


シャンク
「お詫びにこれあるぞぃー。ちょっと変な匂いするけど」


ヨウカンサブレの箱(異臭付き)を台に出す。


キル
「いや、いらない」


シャンク
「なんだよ、美味しいのに…、ムシャムシャ。マズっ!」

キル
「不味いのかよっΣ」


シャンク
「食べられない程マズっ。飲み込めない程マズっ!キル、お茶持ってきて台所あるから」


キル
「はぁ〜?俺客だろー。そんなもんお前がやれよ」

シャンク
「ほざきやがれ。いいから早くくんでこーい」

 

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