サイエンス・ワールド 短編集

□-メガネのユクエ-
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっそ。」




なにも気にもならない様子ですたすたとまた歩き出すキル



《・・・・・・・それだけ!?》



一瞬ズシーンと気が沈みこみ、すぐにまた慌ててキルの後を早足で追う


「ちょっ、先生だよ!?あの先生が居なくなったんだよ!? なんとも思わないの!?」


「別に。」


「即答しないでよ煤I?」


ザッと立ち止まり、何か決意を秘めた瞳でキルに声を張り上げる



「に! 先生はキル兄の親友なのだよ!?あたしたちで先生を探し出そう!!」


「はあぁ!?」

いきなりの発言に対してとっさに振り向く



「親友・・・・・・・それすなわち、“家族”なのだよキル兄・・・・・・。」



何処(いずこ)へと手を差し伸べて清清しい顔をしてキルに言うネリルに対し、すぐに冷静なツッコミを入れるキル


「お前誰だよ。」


「というワケで・・・!」


パシっと手を取り


「レッツゴー!!」


元気そうに勝手に手を引いて前を歩き出すネリル
 


《なにぃぃぃぃぃぃぃっ!?》


「ちょ、ちょっと待て俺はパス!」


バッと手を振り払い二人とも立ち止まるがネリルはキョトンとして振り向く


「ふえ?なんで?」



「なんでって・・・・・・・・・、“投薬実験”するは・・・、“人体実験”するは・・・、挙句の果てに、“ドラッグ”まで・・・・−っ!!」


頭を両手で抱え込み、ぶるぶるとかつてのトラウマが蘇って顔を青ざめる



《わぁ〜。沢山やられたねキル兄〜。》

満面の笑みで同情するネリル


 
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