サイエンス・ワールド 短編集

□ー五月雨をあつめて早し最上川ー
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飛天勝
「うわ、きゆ、ちょっ流れがマジでっ、なにこれ、泳げっ止めて!ちょっも、ひひひぃんー!」


クルクル最上川を下流していく。


エディン
「ほら、見えますか?飛天勝が、流されていく…(字余り)」


船人
「何落ち着いてんですか!?師匠が流されていくのに!」





ー二キロ下流ー



道ばたにいた女の人に歩いて近寄り、声をかける。

エディン
「あの、すみませんお嬢さん」


エラ
「はい?」

エディン
「ちょっとお聞きしますが、この辺に何か流れてきませんでしたか?」


エラ
「え、何かって…」


エディン
「例えばこう…、飛天勝のような物が、なんかこう…、すさんで、んー…、俳句読む…ー」

エラ
「それって飛天勝じゃないのΣ!?」


エディン
「あー、もう隠さずに言います。飛天勝が流されました。実はかくかくしかじかで…」


エラ
「そうですか。弟子に負けた悔しさから、『どす恋!』っと叫んで最上川に…」


エディン
「えぇ。もし見つけたら僕に知らせて下さい。この先の宿で休んでますから」


エラ
「休んでるのΣ!?」


村に続く道を歩いて行ったエディンにツッコミを入れた後、下流を歩くエラ。



エラ
「一体どこまで本当なんだろう?あの有名な飛天勝が流されたってところからすでに怪し…ーっわぁぁァァァっ!!!??」


川の中から犬神家のように足だけ出てるのを発見し、すぐに救出すると飛天勝が地面に倒れる。


エラ
「大丈夫ですか?天勝さん」


飛天勝
「助かりましたぁ。これ以上流されてなるものかと、川底の岩にしがみついていたので、足だけ上に出ていたというワケです」


エラ
「いえ、全然そんな事聞いてないです」


飛天勝
「でも、なんで私が飛天勝だと?カッコいいから?」


エラ
「いえ、カッコよくは…ー」



エディンの話を飛天勝に話すと、復活して立ち上がり喚く飛天勝。


飛天勝
「えぇえ!?エディン君がそんな事を!?それは全部嘘ですぅ!私は弟子になんて負けてません!アイツは平気で嘘をつくヒドい奴なんです!私の友達の目と口を縫い付けたりするんですぅ!!」


エラ
「ひごおぉぉぉΣ|||!?」

 

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