サイエンス・ワールド 短編集

□ー五月雨をあつめて早し最上川ー
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〜早朝〜

宿屋


エディン
〈朝か…。またこんな物(天勝が寝ながら抱いていたぬいぐるみ)を抱いて…。中身は綿だろ。〉
‘ブチチ。’

エディン
〈綿だった。〉







エディン
「という事がありました。」

飛天勝
「やっぱり犯人君じゃないかぁ!縫って治せこらぁ!この鬼弟子ぃぃ!」

エディン
「分かりましたよ全く。」

‘チクチク…’

飛天勝
「あれ?君裁縫出来たっけ?」

エディン
「見よう見まねです。ほらね。」

マーフィー君(ぬいぐるみ)の口と目を縫い付け綿が出てる首をシカトして天勝に返す

飛天勝
「ヒエエエエエー!!船を降りろこのー!!」

エディン
「なんですか急に。」

飛天勝
「エディン君。いや、エディン!」

エディン
「………………」

‘ググググググ…ー!’
飛天勝の髪を上に引っ張る

飛天勝
「いやぁ、エディン様ぁ。決闘だ私と決闘だひひひぃん。調子に乗った弟子にお灸をすえる時がきたようだ。【最終奥義!飛天千住観音!!】」


船人
「手ー増えてねー!!」

飛天勝
「わははははは。驚いたか。この技は両腕を高速で動かしさながら千住観音のよう。え?増えてない?」

船人
「増えてません!!」

飛天勝
「え。じゃぁ何本?」
  
船人
「二本です!」

飛天勝
「嘘。あ、じゃぁ、えと…やめる。そうだ。俳句で勝負だぁ…」

船人
「テンション下がっちゃった。」

飛天勝
「ルールはこれから全ての会話を五・七・五で行う事。さぁ、試合開始だ。」

エディン
「飛天さん (五)
 好きな食べ物 (七)
 何ですか (五)」

飛天勝
「ウニだけど? (六)」







………………………………








飛天勝
「ま、まだだ!私はまだ負けていないぞ!こうなったらもう水泳だ!水泳で勝負だ!この最上川を先に往復したほうが勝ちだ。」

エディン
「いいですよ。」

船人
「え。無理ですよこんな急流で。」


飛天勝
「位置について、よーい。どす恋!!」

船人
「どす恋!?」

‘バシャーン!!’

 

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