テイルズオブジアビス
□ー不思議な国のアビスー
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ー……晴れ晴れとした1日の午後…、一冊の本を抱えるお姉さん(リグレット)とアリス(ティア)は、タタル渓谷の木の下で本を読んでいました。
「アリス。このフォニム学の本は、きちんと頭に入れておいた方がいい。」
「ですが…教官」
「今は教官ではない。アリス。」
「あ、はい教……いえ、お姉さん。でも、毎日勉強ばかりしても面白くないです。」
「アリス。勉強をしているのはお前の身を案じてやっている。私が読むのをしっかり聞いておくのだ。」
そうしてお姉さんはまたフォニム学の本を読み上げる。
「………ハァ…。…退屈…。………何か不思議な事はないかしら…」
アリスはお姉さんの話を必死に聞き取ろうとしましたが、やはり、ついウトウトして木にもたれ、いつの間にか眠ってしまいました……ー
“ー…………チ…チ……ッチ………チッ………カチッ………カチ………………
………ゴーンン………、………ゴーンン………ー…”
どこからか時計の音が鳴り響く……………ー
“………タッタッタッタ……………ー”
アリスは何かの足音が聞こえ、自然と目を覚ましました。
「………なんの音かしら…?」
足音は後ろから段々大きくなっていき、木に座りもたれていたアリスの横を、白ウサギ(イオン)が横切って立ち止まりました
「…ハァ……、ハァ……。………困りました…。早く行かないと遅刻しちゃいます……!」
「…………!?」
只のウサギではなく、チョッキの服を着、二本足で立ち、ポケットから金の懐中時計を見ながら喋っています。
《…か…っ…、可愛い///!》
しかし、そんな疑問に思わず、頬を染めて口を手で抑える
「とにかく急ぎましょう…!」
白ウサギはアリスに目もくれず、慌てて花が咲いている方へ走って行きました
「あ。待ってウサギさん!」
ハッとして我に返り、立ち上がって白ウサギを追いかける。………どうした事か、アリスのお姉さんはどこにも居ない事に、アリスは気づかず…。
「…ハァ………ウサギさん速いわ…」
もう少しで追いつきそうになった瞬間、ウサギは一瞬花が咲いてる中央で立ち止まり、下へジャンプして姿が見えなくなりました
「…………え…」
ペースを落とし、ウサギがいなくなった場所を見ると、地面には大きなウサギの穴がありました。
「……きっとこの穴の中に入ったんだわ…。……でも…………」
穴に入ろうか迷っていたアリスは、ジーッと暗い穴を見続ける
「……………可愛いウサギが見れるなら……///」
ウサギをもう一度見たいと思い、迷いもなく穴に入るアリス。