サイエンス・ワールド 短編集

□ー死んだ私は太陽にほえるー
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ネリル
「姫ちゃーんっ!!」


車に跳ねられそうになった猫ちゃん(かっこお魚加えた)を助けてお腹に刺さり、死んでしまいました。







死んだ……

私は………

…太陽に……………

ほえる………ー









ネリル
「姫ちゃーん!!」


道の真ん中でお腹にカジキマグロが刺さって大量出血するリリーをネリルが泣きながら呼びかける


その空中で死んだ幽霊となったリリーが黒い服(普段着)を着た死に神のキルと会話する



キル(死に神)
「じゃぁ、あの世に行こうぜ。」

リリー
「死に神さん。私を五秒でいいから生き返らせて。」

キル(死に神)
「は?ι」

リリー
「私、実は松田優作のファンなんです。だからせめてお腹を刺されたんだから『なんじゃこりゃー!!』って叫びたい。」

キル(死に神)
(うわー。いるんだよなーこういう人ι)

リリー
「死に神さん。私が死ぬ間際に言った台詞を分かりますか?」

キル(死に神)
「いや…、知らないけど…」




〜回想〜

‘ギギュギュギュギュ!!’

リリー
〈猫ちゃん危ない!〉

‘ピューゥゥゥゥー’

車にひかれそうになった猫を間一髪で救ったが加えていたカジキマグロが上空を舞う


リリー
〈良かった。〉

ネリル
〈姫ちゃーん!だいじょぶ!?〉

リリー
〈うん。大丈夫。〉

ネリル
〈無茶しないでよぅ〜ι〉

リリー
〈ごめんね?私猫好きだからついハッするしちゃった。ハッスルする。略してハッ、する。なんてね。〉

‘グサッ!’

リリー
〈ぐはっあ!〉


‘チーン…ー’







リリー
「これが私の最後の言葉でした…。」


〈ハッスルする。略してハッ、する。なんてね。〉

‘グサッ!’

〈ぐはっあ!〉


キル(死に神)
「確かに…ι最後の言葉にしてはちょっと寒いな。」

リリー
「だから死に神さん。私を生き返らせて?」

「本当に五秒で言えるよな?」

リリー
「うん。余裕。」

キル(死に神)
「じゃぁいくぞ?ピーチクパーチクホイホイホイ!」

リリー
(う、何言ってんの。)

リリー
「ハッ!ここは。」

ネリル
「にΣ!?い、生きてた!」

リリー
(そっか。私死に神さんに五秒だけ生き返らせて貰ったんだ。お腹痛っ!!とにかく言わなくちゃ。)

「……な………、…な……っ…………ぁ……。…………な………、……………………なに…これ……。」

‘ガク…’

ネリル
「姫ちゃーん!」


死んでまた死に神と真顔で会話するリリー

リリー
「間違えた。」

キル(死に神)
「……………ι」

リリー
「あまりのお腹の痛さに言葉を間違えてしまった。」

キル(死に神)
「いや、まぁ…、お腹に刺さってるからなι」

リリー
「もう一回。もう一回。もう一回。もう一回。」

キル(死に神)
「いや、アンコールー、アンコールーみたいに言うなよι」

リリー
「死に神さんお願い。十秒だけ生き返らせて。」

キル(死に神)
(五秒増やしてるよ!この人図々しいな。)

「しょうがねーな。あと一回だけだぞ?ピーチクパーチクホイホイホイ!」

‘ピカーン!’


リリー
「ハッ!」


ネリル
「にっΣ!?ま、また生き返ったよ!?姫ちゃん大丈夫!?」
リリー
(くっ…、そっか。ケチな死に神さんのおかげでまた生き返ったんだった。お腹痛っ!?頑張れ私…!時間がない…!松田優作みたいに…、なるのよ…ー!!)

「…………な…っ……、…………な…!……………………………………………………………………なんじゃ………………こ…ー」



「リリー!!」

リリー
「……!?」


「お前高校の生徒だったリリーだよな!どうしたんだ!!お腹から血が流れてるぞ!!」


リリー
「……ーこ……っ…、……国語の…………、………ゴリ松…ー。」

‘ガク…!’


ネリル
「姫ちゃーん!!姫ちゃんがまた死んだよぅー!!」







〜最後の言葉
     国語のゴリ松〜












リリー
「もう一回。もう一回。」


キル(死に神)
「いや、だからそのアンコールー、アンコールーみたいに言うなってι」







ーendー

 

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