サイエンス・ワールド
□-アバンタイトル-
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‘ザァアァァァアァァー……’
激しく降る雨の中、木も草も全て燃え焦げ、広い焼け野原に一人の藍色の服を着た男性が立っている。ズボンの左足には腰の方に銀色のチェーンが飾られ、髪は肩まであるが多くすいたようにほとんど全てが藍色に染まっている。
「……………………ー」
男性の目の前にピンク色のロングヘアーの少女がうつ伏せで顔を横にして眠っている。
顔のすぐ横には蝶の髪飾りが落ちてる。
「…………フフフ……」
激しい雨に打たれる黒い服を着た少女を鼻で笑うように見下す男。
「…やっと……、か…」
バッと両手を腰まで横に広げ、赤い瞳で少女を見下し声を張り上げ。
「やっと!オレを邪魔する者が全て消えてくれた!」
近くの方で雨と共に激しい落雷が鳴る。
「さぁ!もう後には引き下がれないよ!ここに居た君達も、この世界にいる住民も生物も!全て俺の力で消してみせるさ!!」
雷と激しい雨が降る雲がない暗い空を見上げ高らかと笑う男。
‘ザァアァァァァー…………!’
声がかき消されそうになる雨の音に、誰かの声が響き渡る。
誰にも予測出来ない状況に、ただ一人だけ…ー
「“…まだ…、終わってないぜ…ー?
『………ーーーー』”」
名前の部分だけ、雷の音によってかき消され、ゆっくりと立ち上がった…ー。