テイルズ小説
□時は戻らない…
「テイルズオブシンフォニア」
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プレセア
(エクスフィア無し)
(………私は…、このままでいいのでしょうか…。私には決して忘れられない出来事に…。時は戻らない…………)
ー時は戻らない…ー
‘ザァァァァーーーーーーーー’
「…ハァ…、今日も雨かぁ…なんか面白くねぇなぁ〜」
ロイドが窓に手を組み、あごを乗せながらぼやいた
「もう梅雨(つゆ)の時期なのね。旅に出たいのは山々だけど…、こうもドシャ降りだとね…」
後ろからリフィルが曇った雨空を見ながら言う
「ホント、俺様もこんなジメジメした1日は困るぜ。」
ゼロスもぼやく
「ゼロスの場合、女の子に会えないのに困るんじゃない?」
ジーニアスが目を細めながらゼロスに言う
「まぁなぁ〜。これじゃあ、声かけに行けねえしなぁ〜。」
「アンタにはあまり声をかけられたくないけどね…」
しいなが皮肉混じりで言う
「お?なんだぁ?しいなー、俺様にやきもち妬いてんのかぁ?」
「誰が妬くか!こんなアホ神子に!」
「またまた〜、素直じゃないんだからしいなは」
「本気で死にたいかい?ん?」
そう言いながらゆっくりノームの召喚札を手に構える
「…じょっ、ジョーダンだって…」
ゼロスが顔をひきつらせる
「…あれ?」
「ん?どうしたコレット、」
ロイドがコレットに問う
「…プレセアが居なくなってる。」
「え?プレセアが?」
「あら…、それは大変ね。…誰か探しに行ってほしいんだけど…、私はこれから宿屋の主人と話があるから行けないのよ」
「…んじゃぁ、俺たちが……」
「僕が探しに行くよ!」
ロイドの隣からジーニアスが声を張り上げて言う
「あら…、でもジーニアス一人じゃ危ないわ。…ロイドとコレットも一緒に探しに行ってくれないかしら?」
「大丈夫だよ姉さん。僕一人でも…」
「いけません!この雨で、怪我でもしたら危ないでしょう。さ、早くプレセアを探しに行きなさい。」
「…わかったよ姉さん。」
しぶしぶ従うジーニアス
「じゃぁ、俺たち探しに行くから、プレセアが戻ってきたらリフィル先生お願いな」
「えぇ、気をつけて。」
そう返して少し不機嫌な顔をしたジーニアスを連れて、ロイドとコレットは4つの傘を持って外に出た
「にしても…、プレセアがみんなに黙ってどこかに行くなんて珍しいなぁ」
「んー、そういえばそうだよねー。どうしたんだろう…」
(…プレセア、まだあの時の事を気にしているのかな…)
ジーニアスが不安な顔をする
「ん?どうした?ジーニアス…、顔色悪いぞ。大丈夫か?」
ロイドが心配そうにジーニアスの方に向く
「え?…だっ、大丈夫だよ…、・・・なんでも……ー」
「大丈夫だったら。僕の事より、プレセアを探さないと」
「…わ、わかった…」
少し納得いかない表情をしながらも、ロイドはまた前を向き、辺りをキョロキョロ見渡してプレセアを探した