サイエンス・ワールド 短編集
□ー五月雨をあつめて早し最上川ー
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飛天勝
「だからアイツの話しは信じないで下さい!どす恋以外は嘘ですから!」
エラ
「どす恋はリアルなの!?」
飛天勝
「私が最上川に入っていた本当のいきさつはこうです。俳聖飛天勝は、下流の村を守る為自慢のマッスルで最上川をせき止め…」
エラ
「それこそ明らかに嘘だろ」
飛天勝
「それを見ていた健気な弟子のエディン君は、ハンサム天勝。略してハン勝に嫉妬の念を抱き…」
エラ
「ハン勝?」
飛天勝
「私の友達にヒドい事を…。ところで友の敵を撃ちたいんだけど、エディン君はどこへ?」
エラ
「呼んできましょうか?」
飛天勝
「お願いします。君の手助けがあれば、弟子に一泡ふかせられる…。ぐふふふぅ…ー」
エラ
「唇が、紫ですよ?」
宿からエディンを連れてきた。
エラ
「連れてきましたよ」
エディン
「あ、天勝さん。どこにいたんですか全く」
飛天勝
「最上川だよ!待ってたぞエディン君。やっと君を懲らしめる時が来たようだ。頼むよ娘さん」
バチっとエラにウィンクする。
エラ
《キモッ》
飛天勝
「いいかぁ。今度の対決はカッコよさ対決だ。娘さんに判定してもらう。いいな?さぁ!娘さん!どっちがカッコいいですか!?正直にどうぞ」
エラ
「え、どっちかっていえば、そりゃぁ、こっちですけど…」
エディンを指差す。
飛天勝
「なん…、でやねんっ!!」
‘ドカッ’
腕組みしたまま勢いよくブリッジし、岩に頭を当てて血が飛び散る。
エラ
「うわぁぁァァっっ|||」
飛天勝
「このアホんだらがぁぁ!ふけ移植するぞこの野郎ぉ〜!!」
エラ
「うわぁぁぁあぁ!!いやぁあぁぁ!」
頭をがしがしかいてエラの頭にふけを飛ばす。
物凄く悲鳴をあげてるエラ。
エディン
「もういいですよ。僕の負けで」
飛天勝
「え、マジ!?じゃぁ私はモテ男!?」
エディン
「えぇ」
飛天勝
「ケツ蹴られてるのに!?」
‘ゲシっ!ゲシ!’
四つん這いでエラが膝で飛天勝のケツを蹴っている。
エディン
「モテ男ですよ」