サイエンス・ワールド
□ー黒いコートー
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「…………………。」
急に黙り込むキルにシュールは少し笑った顔で問いただす
「どうしたんですか?急に黙り込んで、何か言いたいことがあるんじゃないですか。」
「……昨日の事なんだけどよ…」
「なんでしょう?」
「なんでほかの奴らと違って俺らだけ動けたり会話が普通に出来たりしたのか……。」
「それを私に言って何になると?」
「………………お前だって、分かってんだろ?俺らは昨日会った奴らみたいになんの能力も持ってない普通の人間なんだぜ?
…………へたに関わると絶対目をつけられるに決まっている…」
「……それで?」
「…………それで…、…やっぱり今みたいにあいつらに関する事はやらない方が身のためじゃねーか…?」
「なるほど。それであなたはもう関わりたくない…ということですか…」
「あぁ……………」
すると、さっきまで紅茶を飲んでいたカップを机に置き、微笑を浮かべながらキルの方を向いた。
「確かにあなたの言ってる事は正しい、ですが、それではダメなんです。」
「何でだよ?」
「仮に私たちがあなたが言ったとおりに何も調べず、なんの関わりを持たないで日常を過ごすとしましょう。」
「…それで?」
キルが腕組みをして聞く