連載パラレル@
□俺は…〜幽玄〜
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ロベルトには全部伝えた……今度は、ワンコに伝える番や
『ワンコ』
萱の外でハテナマークを浮かべているワンコの服を掴み、ノートを見せる
意識を注いでくれた事を確認すると、とりあえず疑問を書いてみた
『何でココにおってくれんの?』
「……僕は…僕は、君を迎えに来たんです」
自分の意志を決心したようにポツリポツリと呟くワンコ
嬉しい…突き放したにも関わらず、まだ俺の事を心配してくれてた
『俺は疫病神やで?』
「なら一緒に不幸になりましょう」
『……借金抱えてんねんで?』
「一緒にコツコツ返せば良いじゃないですか」
『………ワンコに…辛い事言うたんやで?』
「……なら、次からは嬉しい事を言って下さい」
もう迷ったりはしない。
いつものホンワカした笑顔ではなく、真っ直ぐな芯を通わせた揺るぎなき笑顔
そんな笑顔を見たんは初めてやった
「っ…ぅあ…あっぁあ!!」
俺は耐えきれんくなって、掠れきった声を存分に出して泣き付いた
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