連載パラレル①
□俺は…～幽玄～
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「……ぁ…あ…っ」
試しに声を出してみる。何回出しても俺の声とは似つかん…ホンマに直るんやろか…
直らんかったらイヤやろなぁ……
そんな事を人事のように思っていると、ガラッと大きな音を立てて扉が開かれた
「佐野君！？」
扉の向こうからコチラへ来たのは、心配そうに近づくロベルトと……
……顔を強張らせたワンコやった
「佐野君…その顔……」
ワンコは恐る恐る近づき、包帯でキツく巻かれた左顔面に手を近づけた
震える手で包帯をなぞる仕草に…謝らずにはいられへん……ロベルトも同じらしく、申し訳ないとばかりに顔を歪めていた
「……貴方がやったんですか…？」
「……僕の他に誰がやるのさ」
「っ…貴様！！」
完全に血が昇ったワンコが殴りかかろうと包帯をなぞっていた手を拳に固める
俺は想像のつく最悪な展開を阻止しようとワンコに力いっぱい抱き付いた
「ワッ…こ…っ！！」
必死に言葉を出すと、ギョッとした二つの顔がコチラへと向いた
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