連載パラレル@
□俺は…〜覚悟〜
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ガキの頃…俺は父親に見捨てられた。
もう何年くらい前になるだろうか…突然襲って来た大きな地震が、全ての始まりだった
そんなに丈夫でもなかった家だったから、崩れるのに時間は掛からなくて
俺と母親は崩れてきた瓦礫によって身動きが出来なくなってしまったんだったっけ……
唯一無傷だった父親は腰を抜かしたまま、俺達をただただ見つめていた
『父さん…父さん!!助けて…っ!!』
悲しくなったら母親を求め、苦しくなったら父親を求めるのが子供の心理
俺は瓦礫に潰されそうになりながら、苦しさから解放されたくて必死に父親を求めた
でも、それを求めた事がそもそもの間違いだった……
『…う…うわ……わぁぁあああ!!』
『待っ…待ってよ!!何で…っ!!』
助けを求める俺に目もくれず、潰されたまま動かない母親を無視し、抜かした腰を懸命に気遣いながら一目散に逃げていった……
父親だから、家族を助けるのが当然だと思った
自分の命を捨ててでも守り抜いてくれると…何の疑いもなく信じていた……
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