連載パラレル@

□俺は…〜憂色〜
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力任せに拳を叩きつけようとした瞬間、タイミングよくドアを開けた佐野君と対面したんだ


『ただいま〜親父!!』


いつも父親に気を使っていたのか、無理を隠すような笑顔で笑っていたのが…彼の最初の顔。


『…っ親父…何しとんねや』


予想もしなかった出来事に段々と笑顔が消えていく。

そんな彼の表情があまりにも綺麗に思えて…この時から、心の中にある"何か"がそこに種を植えたんだ


『お前…親父から手ェ離せや!!』

『……言われなくても、離すよ』


地面に叩きつけるように胸倉から手を離すと、バランスを崩した父親を庇うように駆け寄る。


『言っとくけど、君の居場所を中々吐かないそこの人が悪いんだよ?』

『っ…やからって殴ろうとする事ないやろ!?何様のつもりやねん!!』


臆する事なく、必死な虚勢を楯に怒りをぶつける


あぁ…ココだ。

ココから、その種が目を出したんだった……


花の咲く事の無い、ただただ積み重ねるだけの"何か"

解らない…解らないから、無性に苛々した感情でいっぱいになる僕がいるんだ



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