連載パラレル@
□俺は…〜玉響(後編)〜
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「高杉!!たかすっ…!?」
「……」
叫び声が止まったと思った瞬間、さっきまで抵抗していた高杉の体が糸の切れた人形のように崩れ落ちた
ドサッ…と言う音を立てて地面へと突っ伏す
慌てて抱き起こすと、さっきの佐野よりも真っ青な顔で気絶していた
「っ…訳が解んねぇ…」
そこまで嫌がれる事をした覚えは全く無い
前までは、怪我をする度に俺の所にきて…他愛無い会話を楽しんでた……はずだった。
なのに、あの日だけは違った。
コイツが飛び出したあの日、俺は追い掛ける事が出来なかった。
追い掛ける事よりも先に、何故飛び出したのかが解らなかったから……
「……なら…」
理解させてくんねーなら、理解させてくれるまでとことん聞き出してやる
覚悟は…した。
俺はグッタリしている高杉を背負い、とりあえず病院に戻ろうと歩き出した。
「…軽ぃ…」
成長期を終えるであろう体を背負ってるはずなのに
…子供を背負ってるみたいだった…
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