連載パラレル@
□俺は…〜玉響(後編)〜
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アイツ?
僕は二人の会話の訳が理解出来ず、ただただ呆然と立ち尽くしていた
解る事は一つだけ。
『俺がココに住んでる事…誰かに言うたりしてへん?』
僕の覚悟の無さが、佐野君の危険を見送ってしまった
踏み出そうか迷う彼の手を引き寄せる事が出来なかった
落ちていく彼の体を…抱き締める事が出来なかった……
「……で?何で借金回収の目的である佐野が、真っ青な顔で倒れてんの?」
「情報によりゃあ…コイツはここ一ヶ月誰ともヤってねぇんだ。」
とどのつまりは…金を貯める事が出来てねェってこった
「月毎で返済しなきゃいけねー借金を滞納するって事は…それなりの処置が必要なんだよ」
「月毎で返済したって同じような事をするだろ?アイツもお前も。」
「ありゃ躾だ…来月もしっかり返済出来るように教育してんだよ。」
「…こんな子供に…背負わせて良いんですか…?」
「あァ?」
こんな…未成年である前に、中学も卒業出来ていない彼に…
「こんな無力な子供に背負わせて…それが人のする事ですか!?」
「……じゃあテメーが代わりに払えるのかァ?」
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