連載パラレル@
□俺は…〜玉響(前編)〜
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「……理解"させてもらえない"なんて…ずいぶん自分勝手な妄想だね」
「えっ…?」
「お前…自分は佐野を理解する資格が無ぇとでも思ってんだろ?」
……資格…
「……当たり前じゃないですか…僕と彼と、何の繋がりも無いのに出しゃばったマネなんか……」
「繋がりがあれば資格が貰えるとでも思ってんの?」
「…何が言いたいんですか?」
あまりに間接的な言い回しに、自分勝手と解っていながらもモヤモヤとした気持ちをぶつける。
「資格とか権利とか、他人が勝手に計ってるような言葉がお前に足りねーの?」
「資格も権利も…無くては次に進めないじゃないですか」
「……覚悟は無くても良いってか?」
「へっ……!?」
「資格があれば…覚悟を決めずに、他人の中へと土足で踏み込んでも良いっての?」
「……」
そうだ。覚悟を無くして何が成し遂げられようか……
生半可な気持ちで他人と通じて…それで何を繋げる事が出来よう……
「覚悟さえあれば、資格なんてのは後からいくらでも付いて来るんだよ。」
お前はただ単に、踏み込めない自分への慰めに"資格"を掲げただけだろ?
資格が無いなら覚悟をしきれないのも仕方の無い事だと……そう思い込んで安心したかったんだろ…?
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