連載パラレル@
□俺は…〜玉響(前編)〜
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シュンとうなだれながら事情を話すと、何を思ってかお腹を抱えて笑いだした
「ぶっっはははは!!」
「なっ…僕は真剣に悩んでるんですよ!?笑う事無いじゃないですか!!」
「だってお前…荷物が重過ぎて野宿って…ブフゥッくははは!!!」
いつまで経っても一向に止まない笑いに、会えたのがこの人で良かったのかが段々疑わしくなった
この人…困ってる人がいたら助けずに見物してそう……
「くくっ…悪ぃ悪ぃ…ほら、半分なら持ってやるよ。流石に全部は持つ自信無ぇし」
「えっ…持ってくれるんですか……?」
意外な答えにア然としていると、口を引き釣らせながら運ぶのをやめようとしたから僕はひたすら謝った
この人は本当に解らない……感謝しなきゃいけないのに、何かがそれを拒んでしまう
「…で?佐野の方はどうなんだ?」
「以前より笑顔が増えましたが……まだまだ理解させてもらえない所もありますね…」
佐野君の家族構成も、家庭事情も。一人になってからの様々な過程も…
聞きたいのに聞けなくて
佐野君も多分…言ってしまいたいのだろうけれど、彼の中にある何かがそれを阻止してる
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