連載パラレル@

□俺は…〜玉響(前編)〜
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「…少し買い込みすぎたかな…」


僕は帰り道の途中にある坂道の前で佇んだまま、10分くらい動けないでいた

足元には一人で持てる範囲を明らかに越えている数の袋…


「坂道を計算に入れるのをスッカリ忘れてた…」


一つ一つ運ぼうにも不用心すぎるし…かと言って全部を担いで登れる程の体力も無い

にっちもさっちもいかないって言うのはこの事だな


「どうしよう…」

「あれっ?誰かと思えば犬丸じゃんか」

「えっ!?」


急な呼びかけに慌てて振り返ると、佐野君が通院している病院のお医者さんの姿が目に入った


「銀時さん!!」


思いもよらなかった偶然。僕はあまりの嬉しさに半泣き状態で銀時さんの元へと駆け寄る


「良かったです!!このまま誰にも会えなかったら野宿する所でしたよぉ!!」

「はぁ?っつーかお前…そこの荷物一人で運んでたの…?」


やっぱり無理があるらしく、目を見開きながら今まで僕が運んでいた無数の買物袋を指差す


「はい…でも坂道がある事を頭に入れてなくて……」



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