連載パラレル①
□俺は…～玉響(前編)～
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「…でも……」
僕が考えてもどうにもならないなら
佐野君が話してくれるまで、ひたすら元気を与えよう
たった一ヶ月で全てを見せれる人間なんている訳が無いし
もし全てを見れたとしても…それまでの苦労がなけりゃ嬉しさも半減だ
「何年でも、何十年でも待ってあげるんだ…」
お互いに全てを理解し合えるように
まずは、ハンバーグを嬉しそうに食べてくれる事から始めるんだ……
「好き……」
好き。
家族でよく入った温泉が好き
学校行事やった運動会が好き……
「…何かちゃうな…」
ちゃうねん。何かが…そないな好きとはまたちゃう"好き"…
温泉の"好き"は心があったまるんやけど
ワンコが好き
「っ…ん…」
この"好き"は…心がキュッてなるんや…
心がキュッてなったら、体まで何か変になって…
「ワンコ…ぉ…」
まるで、媚薬飲まされた時みたいに…頭がぼーっとしてきおる…
助けて…犬丸…
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