連載パラレル@
□俺は…〜玉響(前編)〜
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「……そうだ!」
「へっ!?」
「晩御飯、何か食べたいモノはありますか?」
「えっ…えっと…ハンバーグ…?」
「解りました!今から材料を買ってくるので、佐野君はユックリ休んで下さいね?」
それだけ言うと物凄い勢いで支度をして家から飛び出した
…もしかすると、気ィ使ってくれたんかな?
阿保ワンコ…気ィ使うんやったらもう少し遠慮がちに出てったらエエやんか…
「ははっ…ワンコらしいなァ…」
でも、そんなオッチョコチョイなワンコも好きやから
文句言わんと黙っといたげるわ
「…好き…か……」
「よし!今日はお金の事を気にしないで沢山買うぞ!!」
いつもなら頻りに値下げを探す挽き肉も
10円価格の小さな袋で買ってしまうタレも
今日は…箱買いビン買いだ!!
「いや…でもお肉はすぐ傷んじゃうから……3パックで…」
……佐野君の心の中には、まだまだ見えない部分が沢山ある
見せてくれ。なんて無神経な事を言える訳がない
だからって、見せなくていい。なんて思える程彼に無関心な訳じゃない
なかなか、どうにもならないんだ……
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