連載パラレル@
□俺は…〜出会い犬丸編〜
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普段、僕が夜道を歩く事なんて許されない事だった。
「待てっ!考えなおせ!!」
「僕は一人で生きてきます!親に決められた人生なんて…まっぴらだ!!」
この日の為に準備したお金と荷物を抱えて、僕はひたすら走った
元々運動音痴な僕だったから途中で歩いちゃったけど……
「この部屋だったら丁度空いていますよ?」
「じゃあココでお願いします」
適当に部屋を借りて、荷物を降ろして
僕はやっとそこで、自分は自由になれたのだと実感した
「つ…疲れたぁ……!」
実感したと同時に来た疲れにバタッと寝転ぶ
両親が二人とも名門高の教師で、いつか僕もそうなる事は幼心に理解していた
だが、成長するにつれて段々疑問が生まれる…
僕は両親に造られた人形なんじゃないかな?
それが確信に繋がったのは、一週間前の夕食の時だった
『父さん。僕、教師じゃなくて会社を立ち上げたいんだ』
何の気なく言ったその言葉が父親の勘に触れて、思いっきり頬を殴られた
『あなたっ!!』
『お前は…お前はただ言う事を聞けば良いんだ!下らん雑念に捕われるな!!』
『……っ』
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