連載パラレル@
□俺は…〜出会い犬丸編〜
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多分、父さんなりに僕を楽させてあげたかったんだろう…
でも…僕はその後に付け足される勝手な妄想が頭から離れないんだ
―下らん雑念に捕われるな!!人形のくせに!!―
我ながらとんだ親不孝者だと思うよ。
でも、仕方無いじゃないか…
僕にだって選択権はあるんだ
「…これで…良かったんだ」
しんみり響く音を耳に残し、僕はおもむろに立ち上がった
「……何しようかな?」
もう煩く言う親はいなくなった。
門限も無い…夜道を歩いても怒られない
「とりあえず、散歩にでも行こうかな」
近くにコンビニがあったらご飯でも買おう。
僕はサイフをポケットに入れてアパートを出た
キラキラ輝く星とは正反対に広がる闇は、いつも窓から眺めていた光景
自分は今、見る事しか出来なかった場所へと足を踏み込んでいるんだ
「綺麗だな〜……」
今日やっと出せた笑顔に嬉しくなった
耳をすませば鈴虫が音を奏で、皆と一緒に歌っているようだった
そんな当たり前の事にも嬉しくなって、僕は暫く佇んだ。
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