連載パラレル@
□俺は…〜出会い〜
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こんな世の中に生まれた自分があかんのやろうか
別に選んだ訳やない。
両親が愛し合って、駆けっこで一番になって、未来への期待を包み込んで生まれただけや
やのに、腹の中で包んでた未来への期待をこうもアッサリ捨てられてしもうた
「…返せ…」
返せ。俺の抱いた夢を、希望を、未来を……
「返せ…返せやァ!!」
誕生日の嬉しさも…正月の楽しみも……夏休みの儚さも……
全部…全部全部!!!
「全部…っ…返してぇや……っ!!!」
「何を…返してほしいんですか?」
「っ…!?」
「君は…今、何を返してほしいんですか?」
ビックリした。同時に、俺の中に踏み込まれた事に焦った
いきなり何なんや…勝手に立ち聞きして、勝手に俺の中を割って入ってきて
俺は罵声を浴びせようとギッと睨みつけながら顔を上げた
瞬間、夜空に映える金髪が目に焼き付いた……
「痛々しい…浴衣もこんなに汚して…」
「っさいわボケ!!何や?お前も下が溜まってきて堪らんのかいな?」
蔑むように見上げると、怒るんかと思いきや…ソイツは泣きそうな顔で見下ろしてきた
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