連載パラレル@
□俺は〜最終〜
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「……佐野君まで来なくてもよかったのに…」
「まぁ過ぎてしもた事は悔やんでもしゃーないこっちゃ!」
見慣れた通路を二人仲良く並んで歩くのも久しぶりで嬉しくなるんだけど
これから行く場所を考えると足取りも重くなってしまう…
「今から行く所は修羅と言っても過言では無いんですよ?」
「せっかく実家に帰れるっちゅーに、ワンコはマイナス思考やなァ…」
実家だからマイナスになってしまうんです…!!
とまぁ、そんな事を言っても佐野君にとっては贅沢な悩みだし
これは自分の為であり、佐野君の為でもある訳だから…
「覚悟を決めないとね…」
「……銀が言うてたんやけどな?」
「はい?」
「マイナスも掛けりゃぁプラスにもなる。やから、今日が俺がワンコのマイナスを掛けたるねん」
そう言って純粋な笑顔を向けてくれる佐野君
何だかそう言ってくれるだけでプラスになれた気がして、二人で笑い合いながら道を進めた
そう…もう僕は一人じゃない
愛する人が傍らにいてくれるんだ…迷いなんて必要ないじゃないか
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