精煉の道U

□ザ☆恐怖の逆鬼ごっこ
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さて問題です。


どーして俺は、こんなことになっているんでしょーか。




取り敢えず…………、




「誰でもいいから誰か助けてくれ!!」









《ザ☆恐怖の逆鬼ごっこ》











俺、ディオン・クラウドは現在少々切羽詰まった状況に陥っております。


それというのも………、


「あっ、見つけた!」「待てよディオン!」「ダメだっ、俺が先だぞ!」「いいや俺だ……!」


ものすっごく真剣な顔をした同級生以下何故か他の専攻の学生やらに、鬼気迫る勢いで追いかけられているから。


(ああもうっ俺が一体何をした――――!!!??)







事の発端は、何だったか……。








「突然ですが、今から第一回逆鬼ごっこを行いたいと思います」


本当に突然言い出したのは、我らが級長・フランツだった。


「は? 何、その逆鬼ごっこって」


俺も他のクラスのメンバーも、首をかしげてフランツを見た。


「聞いた通りだ。一人鬼を決めて、他の参加者が鬼を捕まえるために追い掛けるってやつ」


何故また突然そんなことを?


そう尋ねると、


「だって、最近なんだかつまんないんだよ。ここは一発、級長として面白いことを計画しなければと思って」


「それで何故に逆鬼ごっこになるんだ?」


「一番簡単で面白そうだから」


………簡単というのはわかるが、面白そう?


「ちなみに、見事鬼を捕まえた者にはちゃんと商品があります」


「何?」


「捕まえた鬼を一日好きにできます」


「……………」


それって、下僕ってことですか………?


俺はちょっと呆れた。


が!!


もともと実際暇だったクラスのメンバーは、元来面白い事が大好きなやつらだったのであっさりフランツの計画に乗る。


ちなみに、士官学部の特待生クラスは全員強制参加だった。


もちろん、俺も。


(どうでもいいけど、鬼にだけはなりたくないな……)


なんたって、鬼になったらこれだけの数相手に一人で逃げ切らなければならないのだ。


捕まったら最後、捕獲者の下僕。


もしも相手が自分を嫌っているやつだったら、何をされるかわかったもんじゃない。


――――――と、そんなことを他人事のように考えていたのが悪かったのか………。


恨みっこなしのくじ引きの結果、


「はーい。鬼はディオンにけってーい☆」


フランツが、ものすごく楽しそうにそう宣言した。


最初は、げっ! と思ったけど、まあ逃げ切ればいいだろう的に思い直す。


そりゃいくらなんでもこんな子供みたいな遊びに真剣になって取り組むやつもいないだろうと思ったからだ。


しかし―――――、


「ディオンが鬼!?」「じゃあ俺たち、ディオンを捕まえればいいのか?」「そして捕まえたら……」


――――――――――何でも好きにしていいんだよね?


みんなの目の色が変わった。


「ひっ――――」


背中になんかいやーな汗が流れたのは、きっと気のせいじゃない。









そうして、俺と同級生たちとの熾烈な逆鬼ごっこが展開された。(しかも時間の経過とともに参加人数(捕獲者)が増えてる!!)













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