。* 遙かなる時空の中で *。
□君に花かんむりを
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『はい』
受け皿とカップがぶつかり小さくカタンと鳴る。
しばらく傍らに立ち、アシュヴィンが口にするのを待つ。
すっと手がカップを掴み、口元へと運ばれた。
「…………」
こくん、と飲みこんだアシュヴィンの手が止まった。
「、リブ――」
振り返ったアシュヴィンの瞳が亜希の瞳と絡み合う。
『やっぱりリブのようには煎れれないみたい』
苦笑をこぼすとアシュヴィンが首を横に振った。
「いや十分美味い。だが、この香は……」
もう一口飲みながら首を傾げるアシュヴィン。
『ちょっと来て』
「は?」
驚くアシュヴィンを無視し、手を引く。
「まだやらねばならんことが…」
『それなら大丈夫。リブに“アシュヴィン借りるから”って断っておいたから』
「俺の意見は無視か」
『そ』
にこっと笑う亜希に、アシュヴィンは困ったように笑みを浮かべため息をついた。
*