。* 遙かなる時空の中で *。
□麗らかな午後
2ページ/4ページ
亜希が瞼を震わせると、澄んだ瞳が現れる。
亜希はまだ冴えない頭でおはよう、とふにゃっと笑う。
あまりに不意打ちの表情にサザキは顔に熱が集まるのがわかった。
「亜希がうたた寝するなんて珍しいよな」
ごまかすように顔をそらすと亜希は首を傾げたが、困ったようにはにかんだ。
『うん…あのね、昨日気になることがあって竹簡を見ていたから寝ていなくて……』
サザキはそう言う亜希の腕を掴み、どかっと座り込む。当然腕を掴まれているため、亜希はサザキへと倒れ込む形になる。
『ちょ、サザキっ!!?//』
広い胸板を押して離れようとするが、しっかりと抱きしめられた。
*