。* 遙かなる時空の中で *。
□毒牙
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友雅はそっと亜希の顎から手を離し、後ろから包み込んだ。
「これはどうかな?」
『抱擁も同じ』
「亜希殿は何故そうも冷静なのかな?」
つれないねぇ、とさして残念そうにもせずに呟く。
『………それは自分に自信がある、というように聞こえるんだけど』
友雅は肯定するかのように微笑む。
自分以外のものを見下すような物言い。
行動も気の向くまま。
左近衛府少将であるにも、だ。
その全てが
全てが私を引きつける………
冷静なんかじゃない
だって
友雅さんを好きだという
気持ちが溢れているもの
*