。* 遙かなる時空の中で *。

□面白い≠好き
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人気のない森の中、寸分の迷いもなく忍人は剣を振り鍛錬をしていた。
森と言っても、何度となくここへ来るうちに草木が踏みしめられてできた獣道が開けた地へと続いている。

僅かに額に浮かんだ汗を拭おうとした時だった。


『っぷは!』


がさがさという葉ずれの音と共にひょっこりと顔をだしたのは動物などではなく歴とした少女。


「何をしている」

『あのね、忍人と一緒に鍛錬しようと思って来たの』


刀を鞘におさめながら明らかに怪訝な顔で忍人が問えば、にへらと笑みを浮かべた。


「それは構わないが、何故そんな所から出てくるんだ」


忍人の視線の先には、よっこいしょと言いながら草をかき分ける亜希の姿。
そして目の前へと来てから首を傾げて答える。


『たぶん、この方がおもしろいから?』


――面白いから。
その一言で忍人は思い出す。







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