。* 遙かなる時空の中で *。
□ホットココア
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『さっむーいっ!!』
亜希は玄関の扉をくぐるなり大声で悪態をついた。
季節は秋。
北海道ではすでに雪が降ったとニュースが流れていただけあり、本州も雪は降らずとも突き刺すような寒さを感じる。
ましてや部活で帰りが夜ともなれば冷気は一層増したものとなる。
「お帰りなさい」
『ただいま、風早』
居間からひょっこりと顔を出した風早に返し、きょときょとと辺りを見回してから亜希は首を傾げた。
『千尋と那岐は?』
「もう寝てると思いますけど…」
その言葉に時計を見ると10時を回っていて、あまり夜更かしのしない二人なら当たり前かと納得し自室へと向かった。
*