。* 遙かなる時空の中で *。

□気持ちだけで
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「……はぁ」


那岐は右手で頭をかかえながら何度目かわからない溜め息を零した。
左手を見ればその元凶が早く早く、と急かしながら足を動かす姿。

何でこうなったのか、考えを巡らすが答えは見えない。
亜希が突拍子もないことをするのはいつものことだと自己解決し、溜め息をつく。


『那岐、溜め息ばっかりしてると幸せが逃げちゃうよ!』


誰のせいだ、と思うも口にはしない。


「で、僕を何処に連れて行こうってわけ?」


その代わりに先程からの疑問を口にすれば、亜希は足を止め満面の笑顔を浮かべた。


『行けばわかる!だからキリキリ歩けー』

「………」


那岐は再び溜め息をついた。






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