。* 遙かなる時空の中で *。

□麗らかな午後
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「あっれー? いねぇなあ…」


サザキは赤い髪を掻き揚げながら呟いた。

いつもならばこの堅庭でいくつもの竹簡とにらめっこをしているか、舞っているかのような太刀筋を繰り返し訓練をしているか。

だが、自分が捜している人影は見当たらない。
仕方なく足を動かしつつ、きょときょとと辺りを見回してみる。


「あ」


壁に背を預け、瞳を閉じて規則的な呼吸を繰り返す捜し人がそこにいた。

丁度サザキが入ってきた所からは死角となっているために見えなかったのだ。


『……ん』

「亜希、起きたのか」

『……サザキ?』






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