。* 遙かなる時空の中で *。
□君に花かんむりを
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『種明かし!!これをちょっとお茶に使ったの』
そう言う亜希の周りには鮮やかな色。
「これは…花、か?」
アシュヴィンは足下に広がる花々を見渡して、常世の国にまだ花が咲き誇る場所があったのか、と感嘆する。
『綺麗でしょう?』
そう笑いかける亜希は色とりどりの花の中に座り込んでいた。
「こんな場所、よく知っていたな」
『小さい頃、連れてきてもらったの』
遠夜に、と言う亜希は手を動かして何かをしている。
『その頃、毎日アシュヴィンの寝室にここの花を飾っていたんだけど…』
「あれは亜希がやっていたのか」
朝目を開くと、傍らの花瓶には毎日違う花が飾られていた。
誰が飾っているのかと思ったがまさか亜希だとは思わなかった。
*