NOVEL

□*気づかないあんたが…
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「土方さん」

真っ黒でストレートなはずなのに少しくせっ毛が混ざっている髪

隊服のせいかまっすぐ伸びているように見えて実は少し猫背な背中

毎日毎日こっちが心配になるくらいすう煙草のニオイ

どんなときでも瞳孔は開いているけどなんだかんだ言って俺たちの事を見つめててくれる見ていてゾクリとする切れ長の目

すぐ怒鳴るけど優しくて照れ屋でカッコ悪いところを見せまいとするアンタ



全部

全部が大好きで

思わず目で追っちまう


「なんだ?」
早く要件を言えと口では言うものの途中だった仕事の手を止めて聞いてくれるあんたが



大好きなんだ





「お願いがあるんでさぁ」
副長室に閉じこもっている土方さんに向けて吐く俺の言葉

顔をあげることができない
「お願いってなんだ?」
首を傾げる土方さんの目の前で黙りこくる俺

「………」

黙ったまま俯いている俺を気にかけたのかどうした?と顔を覗いてくる
あんたの……土方さんの…そうゆうところが…

大好きなんだ…




「土方さん」


 


   
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