NOVEL

□*暗闇の中の光
1ページ/2ページ

……ここは何処だろう…
真っ暗で誰もいない…
俺が歩くたびに靴の音がカツカツと響き渡る―
「……」
「よぉ土方。起きたのか?」
懐かしい…でもどこか冷たい声が耳に入る
「………」
姿は見えないがこいつは俺の敵…真選組の敵…
「まぁゆっくりしてけよ、折角てめぇをさらったのによぉ」
「………高杉…てめぇ…」
シャンと刀を抜く
「まぁ落ち着けや」
「お前はアホか?おちついてられるか…」
「しょうがねぇなぁ」
ザッと言う音が聞こえる
「…おい?」
「くくくっ…」
多分…俺の目の前にいるのだろう…何も見えないが声が近い
気配をよもうと気を張る
「油断大敵だな」
「っ!!」
刀を持ってた手が握られた…慌てて手を振りはらう
カシャンッ
……刀を落とす…ホントに油断大敵だ…
「何慌ててんだよ?」
暖かい…高杉の顔が近い…抱きしめられている…
吐息がきこえる
「るせっ!!離せ!!」
「聞けねぇ頼みだなぁ」
「……お前は…なんなんだよ。俺の心に……これ以上はいってくんなよ…」
「……」
「…苦しいんだよ…」
「俺も苦しいぜ?お前に…この気持ちを…」
「は?」
「好きだ。好きだ…好きだ…」
「ちょっ!!」
「お前を愛してるからこうやって連れ去ったんだ。お前を…好きだから…」
「……俺は苦しい……いつもお前に抱きしめられて・・・話したりしてると…」
「……」
「……俺は…どうすればいいんだよ…」
「……いいじゃねーか」
「!?」
「会いたいときにあう。それでいいじゃねぇか」
「……高杉」
「ほれ。俺が抱きしめてんだから抱きしめ返せよ」
「……//////」
ギュット高杉の背中に手を回す
「あったけぇなぁ…」
「…あぁ…あったけぇ…」



ここで俺の記憶はなくなっていた。どうやら安心して寝てしまったようだ。やわらかい…ソファみたいなとこにねかされていた。隣には高杉はいない…
ぱっと立ち上がると何かが落ちた
「…携帯?」
拾い上げてみるとメールがきてた
『俺様からEメール受信完了』
…フッと笑う。自分で俺様とか言うなよな。
心が温かい…このまま俺は暗い部屋からいつもの自分の居場所に帰る
いつのまにやら暗闇にひかりがうまれてた




















「ばーか」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ