DRRR
□合鍵
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何故、コイツは此処にいるんだ…
それが、解らない。
オレの目の前。
ソファーにだらけて座り、持ち込んだ自分のパソコンでカチャカチャと何かしてる。
「鍵、かけてあったよな?」
「うん、掛かってたよー」
あ、おかえりー
なんて、極々自然に返された言葉。
ピキピキ…っと、こめかみの辺りに力が入るのが解る。
「…どーやって、毎回毎回侵入して来やがってんだ、…あぁ?」
此処は、オレ平和島静雄の自宅だ。
なのに、目の前の男、オレの仇敵-折原臨也-は平然とオレの部屋で寛いでやがって…
今日も仕事から帰宅したら、今の状態だ。
そもそも、お前の自宅のが設備も環境もいいだろうが…
色々、言いたい事は山ほどあるのだが…
「…くそっ、勝手にしろ」
バリバリと髪を乱し、手元にあった煙草に火を付ける。
「シズちゃんさー、オレがわざわざ此処に来る意味解んないの?」
パソコンから顔を上げた臨也がジィっとオレを見つめる。
「犯罪者の言うことなんて解るか」
苦々しく吐き出せば、臨也が軽い溜め息をつく。
「酷いなぁ…ただ、少しでもシズちゃんと居たいだけなのに」
「なっ///」
臨也の言葉に、思わず絶句する。
「シズちゃんに逢いたいからだよ?」
上目遣いで、言葉を重ねる。
「……」
何か企んで居る、警戒しろ!
頭のどこかで鳴る警鐘。
けれど、
チェストの引き出しの中をガサガサと漁り目的のモノを探す。
…チャリン
ローテーブルに向かって、それを投げ落とす。
「…シズちゃん?」
「不法侵入すんな、連絡してからそれ使え」
ぶっきらぼうに言えば、
それを手にした臨也がフワリと笑った。
「ありがとう//シズちゃん」
END?
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