心ハ見エナイ
□暗いそらに紅い月…
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僕は夢をみた。
真っ暗な空に真っ紅な月。
とても綺麗で暗い悲しい夢。
僕の前には泣き崩れる女の子。
紅い月を背負って泣いている。
その紅はとてもとても深くて。
今にも吸い込まれてしまいそうで怖くなった。
どうして泣いているの?
なにが悲しいの?
って聞いたら。
『ここから出して。苦しいよ。』
一言言って消えてしまった。
それが僕だと気付いたのは夢から覚めてからだった。
真っ暗な夢の中。
それは、僕の心のなかで
心の中では、僕が泣いている…。
僕はいつ出てこられるのかな。
自分は小さな小さな子供なのに…
あんなに深い紅の月を背負って。
今日もあの子は泣いている。
紅い紅い月の下で…
END