四聖の騎士
□第二章 四聖の騎士団 反逆の凜那
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第一話 何かが変わりだした五月
さて、あのデザイナー対決から数日が過ぎて、ゴールデンウィーク目の前の最後の四月の週を迎えた。
実際、あの、デザイナー対決から、色々と俺を取り巻く環境が変わってきた。まぁ、転入してきて、一ヶ月になろうという時間では、だいぶん、この環境にもなれ、打ち解けてくる時期ではある。
まぁ、だが、正直・・・・・・打ち解けるにしては打ち解け過ぎのような感じはある。
現在、朝の朝食の時間である。
無論、毎朝のいつも通りに、メイドが朱美を起こし行く。ここは何も変わらない。朱美が寝むそうに起きてくる。これも、何も変わらない。
だが、この後から、変わったモノが一つある。
朱美「朱雀さ〜ん」
なぜか、俺の隣で朝飯を食べる朱美がいる。あのデザイナー対決から、俺の隣だ。前は、俺の前が基本だったが、急に俺の横で食べるようになった。
しかも、肩がくっついている。つまり、完全に密着している。
そんなに、近くで飯を食わなくてもと思うのだが、こうなった初日にそう言ったら、ダメですか? と上目づかいで恥ずかしそうにいわれて、何も言い返せなくなったので、これは良しとした。
さらに、朝食を食べ終わった後に、朱美は俺の腕にしがみついてくる。ちなみに、最初は恥ずかしそうだったが、数日たった今は、自然にしがみついてくる。
これも、デザイナー対決から、変わった事の一つである。
昔の朱美なら、絶対になかった。いや、ありえなかった。
決して誰も近づけさせないオーラがあったのに、今は自分からすり寄ってくる。
「あのな・・・・・・朱美」
ソファーで、珈琲を飲む俺は、同じくソファーで俺の腕にしがみついてきている朱美に話しかける。
朱美「何ですか?」
朱美は上目づかいで見てくる。
「あのな・・・・・・どうしたんだ? 急に?」
朱美「何がですか?」
「ほら、前は、こう、俺が頭なでただけで嫌がってただろ?」
朱美「そうでしたか?」
俺は試しに朱美の頭をなでる。すると、猫のように喜ぶ朱美
「やっぱり、変だぞ・・・・・・お前」
朱美「そうですか? 何か最近、毎日そう言われてます」
いや、だって、絶対に変だろ? あの朱美だぞ? 何かおかしい? あれか? 何かのイベントか? 惚れ薬的なイベントか?